思春期とは

身体と心の成長を通して、子どもが大人へと変わっていく時期のことを指します。また、小学校から中学・高校と行動範囲が広がることで家族以外からの影響を受けやすくなり、徐々に自立へ向かって歩き出すのも思春期の特徴です。思春期の兆候が見え始めるのは、早くて小学校6年生頃、一般的には中学生になった頃が多いといわれています。

反抗期とは

思春期の過程で自分の心を整理できず、周りに反抗的な態度を取りやすくなる時期です。思春期を迎えた子どもは、身体が大人へと成長していくのとともに、心にも変化が現れ始めます。「大人になりたい」という気持ちと「まだ子どもでいたい」という気持ちがぶつかり合い、精神的に不安定になることも多いです。

また、「自立したい」という思いから、自分のテリトリーに入ることに対して不快感を覚えたり、理想の自分と現実の自分のギャップを感じて苛立ったり、といったこともよくあります。こうした言いようのないイライラを自分で消化しきれないために、反抗的な態度として親や身近な大人に当たってしまうと考えられます。

なぜ起こる？

赤ちゃんのときに乳離れをしたように、親から精神的な乳離れをするために思春期・反抗期は起こるといわれています。子どもが思春期・反抗期を迎えたら「今まで親に守られて育ってきた環境から抜け出し、自立した大人として扱われたい」という思いが芽生えている証拠です。

大人に対して荒い言葉を使いやすくなる

精神的に不安定になりやすく、ストレスを抱きやすい思春期の子どもは、言葉が荒くなる傾向があります。心のイライラを発散させるため、身近な人に汚い言葉を投げつけてしまうのだと考えられます。

特に、自分の意に沿わないことを周りからいわれたときは暴言を吐きやすく、反抗的な態度を見せることが多いです。こうした言葉遣いの荒さは、女の子よりも男の子によく見られるといわれています。

口答えが多くなる

暴言は吐かないものの、親や教師など周りの大人に対して口答えが多くなるのも反抗期の特徴です。例えば「宿題したの？」との言葉に対して「今からやろうと思っていたのに、そんなこと言われたらやる気がなくなった」など、相手のせいにして自分を正当化する傾向があります。

家族や他の人と距離を取る

日々のコミュニケーションの中で反抗的な態度を取る子どもがいる一方で、周りの人と距離を取り、話さなくなるパターンもあります。これは、大人に対して攻撃的な態度を取れない子どもに多い傾向だとされています。以前はたくさん話していたのに突然会話がなくなったり、自室に引きこもることが多くなったりしたら、静かな反抗期が始まっているのかもしれません。

自室に入られるのを嫌がる

自立心が芽生え始めた子どもは、自分のテリトリーに誰かが入ってくるのを好みません。自室に家族が入るのを嫌がり、プライバシーを主張することも増えます。こうした子どもの気持ちを汲み取り、適切に接することが重要なポイントです。