ホルモンの作用

思春期を迎えると、男性ホルモンや女性ホルモンの分泌が増え、精神的に不安定になりやすいといわれています。子どもがあらゆることに敏感になり、イライラしたり、感情を爆発させたりすることが起きやすい場合は、ホルモンの作用によって精神の安定が取れていないのかもしれません。

ホルモンの分泌は、自分ではコントロールできません。自分の気持ちなのにうまくコントロールできないことに対してさらにイライラ感が増し、反抗的な態度を取りやすくなります。

身体の成長に心が追いついていない

ホルモン分泌の増加に伴って、身体にも変化が起きます。骨格や筋肉、脂肪など、各部位が少しずつ変わっていくことによって、大人の身体へと成長していきます。そのため、まだ子どもの部分が残っている心と、心を置いて大人へと成長を続ける身体のバランスを取るのが難しくなり、わけもなく苛立ちを感じることが多くなるのも思春期の特徴です。

交友関係に精神的負担を感じている

中・高校生になると、人と接する機会が急激に増えて交友関係も広がります。その過程で、友達との関係がうまくいかなくなったり、先輩・後輩とうまくコミュニケーションを取れなかったりといった悩みを抱えることも珍しくありません。交友関係に精神的な負担を感じていることを親に相談できず、苛立ちとしてぶつけてしまうのも反抗的態度の原因の1つと考えられます。

ムカっとしたら一旦冷静になる

反抗的な態度を取られると、親であってもムカっとしてしまうことがあります。しかし、そこで声を荒らげたり子どもと同じような態度を取ったりすると逆効果です。子どもの態度に不快感を覚えたら、一旦深呼吸をして冷静になるのがポイントです。

そして「まあ、思春期はそういうものだから仕方ないよね」など、子どものことを受け止める言葉をかけてあげてください。反抗的な態度が変わらなかったとしても「親は自分の気持ちを理解してくれている」と心の中で思ってくれるはずです。

子どもの様子を見ながら接する距離を変える

子どもが反抗期を迎えたときに距離を取り過ぎると、孤独感を与えることになります。反抗的な態度を見せていたとしても「親にかまってもらいたい」という子どもの気持ちは変わりません。突き放すのではなく、子どもの様子を見ながら距離の取り方を変えることも大切です。

例えば、子どもがイライラして誰とも話したくない様子なら「何か困ったことがあったら教えてね」と声をかけたうえで、そっとしておいてあげれば孤独感を和らげられます。子どもの機嫌が良いようなら、勉強や部活などちょっとしたことでも褒めてあげると、距離を縮められるでしょう。

ホッとできる場所を作る

思春期を迎えた子どもは、親が把握していないコミュニティで悩みを抱えることがよくあります。外で大変な思いをしても家ではホッとできるよう、安心感のある環境作りも欠かせません。両親の朗らかな様子を見せたり、好物を作ったり、日常で子どもに安心感を与えることを意識してみてください。